今は、芝居に関して「変わりたくない」という気持ちがあります。田中圭
2018.12.15
2000年のデビュー以来、息長く人気をキープする田中圭。2018年はTVドラマ『おっさんずラブ』の主演で注目度が急上昇した。
「このドラマで僕を知ってもらったり、好きだと言ってくれる人も増えて、それはもちろんありがたいと思います。でも『そこじゃないんだ』って思う自分もいて。“ブレイク”したことで、俳優として面白いことをやれるチャンスも増えたし、だからこそ芝居という部分に関して、より『変わりたくない』という気持ちがあります。たとえば『おっさんずラブ』でいうと、役名の『ハルたんが好き』と言われる方が、『田中圭が好き』と言われるより、良いんです。僕自身よりも芝居を見せたい」。
2019年に上演する『CHIMERICA チャイメリカ』は、2014年にローレンス・オリヴィエ賞を受賞した、ルーシー・カークウッドによる現代戯曲。天安門事件を題材に、アメリカと中国、2つの国のはざまで出会い、すれ違う二人の男の物語。田中圭演じるジョーは、天安門事件の決定的瞬間を撮影したアメリカ人カメラマンで、その写真に写っていた中国人の男、通称「タンクマン」を探している。
「台本を読んで、フィクションとノンフィクションが混じっていて、わくわくするミステリー感があると思いました。僕の場合、役は台本を読んで先に作り込まずに、稽古に入って演じながらだんだん役に入っていきます。共演者たちと演出家がいて、役を立体的にしていける。自分一人で役は作れないです」。
満島真之介、倉科カナ、そして眞島秀和。プライベートでも親交のある役者たちがキャスティングされている。
「稽古のあと羽目を外してしまいそうな危険性が高い4人ですが(笑)。舞台って、どうなるか本当にわからない。言えることはただ、自分が楽しい芝居をしたい、お客さんに楽しんでもらえる芝居がしたい。自分に注目してくれている人たちを、お芝居で、いい意味で裏切り続けていきたい」。
ヘアメイク:花村枝美
スタイリスト:髙木阿友子
衣装協力:BOSS
田中圭 kei tanaka profile :1984年、東京都出身。2000年にデビュー。TVドラマCX『WATER BOYS』(2003年)で注目を集め、その後、数多くのTVドラマや映画作品に出演。2007年には『死ぬまでの短い時間』(演出:岩松了)で舞台にも進出。映像・舞台の両方で幅広い活躍を見せている。
世田谷パブリックシアター×パソナグループ『CHIMERICA チャイメリカ 』
2019年2月6日(水)~24日(日)※地方公演あり
場所:世田谷パブリックシアター
作:ルーシー・カークウッド
翻訳:小田島則子
演出:栗山民也
出演:田中 圭、満島真之介、
倉科カナ、眞島秀和ほか
https://setagaya-pt.jp/
撮影:笠井爾示