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芦田愛菜の繊細な演技で描く、家族の絆の物語 映画『星の子』

2020.9.11

「家族」の形はそれぞれ。抱える悩みも愛情も違っていて、みんなかけがえのないもの。そんな、日ごろ忘れがちな大切なことを、ひとりの少女の心の揺れを通して繊細に描く映画が、『星の子』だ。 主人公は中学三年生のちひろ。新任のイケメン先生の似顔絵をこっそりノートに描くような、どこにでもいる内向的な少女だが、彼女の家庭は「普通」とは違っていた。両親が、赤ちゃんの時に病弱だったちひろを救ってくれたと信じている「あやしい宗教」の熱心な信者で、家の中ではお清めの水で湿らせた布を頭に乗せている。信仰のせいで暮らしも貧しい。他人から見ればおかしなことだが、ちひろにとってそれは、愛する父と母のいる家庭の風景だった。 しかし、大人の入り口に立っているちひろは、いつまでもその家の中の世界だけに生きてはいけないことにも気づいている。高校受験の準備、大人びた友人との会話、両親に違和感を抱いて家を出た姉、憧れのイケメン先生への失望。次々と起こる出来事に、ひとり悶々とするのだった。 ちひろを演じるのは、6年ぶりの実写映画主演となる芦田愛菜。両親役には、日本映画界のベテラン、永瀬正敏と、永瀬と同じ1983年にスクリーンデビューした原田知世。夫婦役は14年ぶりで、息のあった演技で役の上でも娘の芦田を包み込んでいる。 監督は、『日日是好日』(2018)で、言葉を超えたみずみずしい映像で、茶の湯の心を描いた大森立嗣。この作品では登場人物たちが親密に交わし合う言葉やほの暗い映像で、思春期のちひろの感情と観客の心を見事に共鳴させる。 新しい生活様式で一変した世界。「何を信じたらいい?」「人生で大切なものって何?」。「ノーマルってなんだろう?」。ひとつの正解が見えない今の世の中で、ちひろの心を揺さぶる葛藤は、誰にとっても切実なものだ。ラストシーンでの、ちひろと両親のうえに降り注ぐ、小さな星の光は、観客の心も慈しむように輝く。

  • 夜の公園で「お清め」の儀式をする、ちひろの両親。ふたりの深い信仰は、親戚や家族との間に溝をつくってしまう。

  • 密かに憧れているイケメン先生から、両親の信仰に否定的な言葉を投げつけられるちひろ。「世間」と家族の間に立ち、心は激しく揺れる。

ものがたり:

ちひろ(芦田愛菜)には、生まれた時から体に原因不明の不調があった。心配した両親(永瀬正敏、原田知世)が藁にもすがる気持ちで頼ったのは「あやしい宗教」だった。ちひろは健康に育ち、両親はその宗教を深く信仰するが、「普通」とは違う家庭環境に違和感を抱いた姉は家を出てしまい、あこがれていた新任のイケメン先生から、両親が深夜の公園でおこなっていた宗教儀式を悪く言われてしまう。これまで自分を守ってくれた家族への愛情と、「世間」の間に引き裂かれる。両親は、そんなちひろを大きな愛情で見つめていた。

  • 芦田愛菜が「この役のために」ロングヘアーをバッサリ切って主演。純粋で多感な思春期の少女を等身大で演じる。

映画『星の子』

監督・脚本:大森立嗣 
出演:芦田愛菜、岡田将生、大友康平、高良健吾、黒木華、蒔田彩珠、新音、永瀬正敏、原田知世 
原作:今村夏子『星の子』(朝日文庫/朝日新聞出版刊)
製作幹事:ハピネット、ヨアケ
共同配給:東京テアトル、ヨアケ
10月9日全国ロードショー

 

公式HP:http://www.nichinichimovie.jp/ 
©2020『星の子』制作委員会

株式会社グランマーブルは、『星の子』製作委員会に参加しています。

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