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映画の概念をいったん忘れて、その場で起きていることを映し取った映画  モトーラ世理奈

2023.7.7

 

『アイスクリームフィーバー』は、川上未映子の小説の初めての実写映画化。監督は、今回が映画初挑戦となる、アートディレクター・千原徹也。原案となる短編小説は、男女の恋を描いているが、映画ではそれを、アイスクリームショップ店員と作家・佐保の交流を主に、さまざまな女の子のストーリーが、オムニバス的に溶け合うストーリーとなっている。佐保を演じるモトーラ世理奈は、モデルとして10年近く活躍。映画やドラマにも出演しているが、今回の作品で「初心に帰った」と語る。

「台本に“映画の概念みたいなものは全部外して、その場で起きていることを大事にして撮っていきたい”と千原さんがメッセージを書かれていて、自分がその世界に参加できることが、うれしかった」。メッセージ通り、現場はいつもとは全く違う雰囲気だったそう。

 

「普段だと、撮影してる中でカメラの位置や目線が気になったりするんですけれど、千原監督は、ほとんどカットを割らずに撮影していくんです。あんまり演じてるとか女優だとか役になるぞっていう感じでもなく、楽しく時を過ごしていける撮影でした」。

 

演じる役柄は、人との交流を避けている謎めいた小説家。彼女のクールな佇まいと似ているキャラクターのように見えるが。「佐保は、黒と白しかない世界に住んでいるんです。『文章では、黒と白の文字でいろんな色を表せるから』というセリフが、なんかすごく印象的で。佐保を理解するうえで象徴的でした。でも、私は色に助けてもらうことが多いから、似ているところとそうでないところはある」。

 

ロケ地は渋谷。「東京出身なので、渋谷は親しみのある街です。中でも、私がすごく好きな場所で撮影しました。静かな商店街みたいな場所に、ちっちゃいお店があったりして。“渋谷だけど、全然渋谷じゃない”みたいな」。

 

Profile 1998 年、東京都生まれ。2015 年「装苑」1月号でモデルデビュー。映画『少女邂逅』(18)で映画デビュー。同年、NHK ドラマ『透明なゆりかご』での演技で視聴者に大きな印象を残す。映画『おいしい家族』(19)、映画『風の電話』(20)に出演。

 

「日常を映画にする」アートディレクター・千原徹也の挑戦

原案にはないキャラクターでオムニバス的に短編を重ね、アイスのようにそれぞれの思いが溶けて混ざるような映画です。日本の映画って、たとえば「恋愛もの」みたいなセオリーがあると思うんですが、普通の日々でも「ドラマ」があるというのを表現したかった。そしてその日常が交差する感覚を、渋谷を舞台に、そのまま映画にしたいと思いました。

 

 


©2023 『アイスクリームフィーバー』製作委員会

 

『アイスクリームフィーバー』

監督:千原徹也 原案:川上未映子「アイスクリーム熱」(『愛の夢とか』講談社文庫)

出演:吉岡里帆、モトーラ世理奈、詩羽(水曜日のカンパネラ)/ 松本まりか

脚本:清水匡 音楽:田中知之 配給:パルコ

2023年7月14日(金)全国ロードショー

https://icecreamfever-movie.com/

 
 

 

 

 

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