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「1人の人生を生きるって、すごく大変」。演じることのリアルをつかんだ作品。神尾 楓珠

2022.3.15

デビューのきっかけは、高校生の時に受けたオーディション。
「高校時代は学校も楽しかったし、芸能界にそんなに興味もなくて。『テレビに出たら、みんながびっくりするだろうな』というくらいの、本当に、好奇心しかなくて(笑)。卒業して、これが好きな仕事だ、という意識が芽生えてきました」。
『20歳のソウル』で演じたのは、吹奏楽部の高校生・大義が20歳の若さで急逝するまでの、短くも熱い日々。映画の前半にあふれているのは、大義が仲間と繰り広げる青春の時間。
「部活仲間役の(前田)航基と(若林)時英は同世代。みんな役以外でも本当に音楽が好きで、一緒に歌ったりしました。あと、(佐野)晶哉は少し年下だから、最初は遠慮があったと思うんですけど、関西出身なので、ぶっちゃけるのも早い(笑)。とにかく高校時代のシーンは、楽しんで演じて、監督も背中を押してくれたように思います」。
実在の人物である大義の役作りのために、取材もした。
「大義の周りの方々やご家族からお話をお聞きすると、生前の大義はやんちゃで、でも周りを引っ張っていく力があって、自分の目標にぶれずに向かってゆく強さがある人のようで、演じる時にはそんな印象を意識しました。中でも大切だと思ったものは、大義の『音楽が好き』という気持ちでした」。
希望に満ちていた人生は、病によって一転。悲しみと焦燥感を爆発させる20歳の大義の姿に、胸が締め付けられる。
「その絶望は、日常とは全く違うもので、自分にはわからない。でも、めちゃくちゃ楽しかった高校時代の撮影があったから、演れたと思う。生きていた時のハッピーで無敵みたいな気持ちの積み重ねがあったから、現実の重さを表現できた」。
揺れ動く大義を「自分から逃げるな」と叱咤し、精神的に支えたのが、佐藤浩市が演じる、高橋先生。
「佐藤さんはオーラがありますし、セリフ一つ一つに説得力があって。教えていただくというより、受け止めていただいた」。
演じ終えて感じた「一人の人生を生きる」ことの重さ。「役者としてのゴールはまだ見えない」。そんないま、感じることは?
「やっぱり、説得力ある大人になりたいなと思います」。

ヘアメイク:清水亜莉沙(THE FACE MAKE OFFICE)
スタイリスト:杉本学子(WHITNEY)
アシスタントスタイリスト:名雲みなみ

 


 

Profile
1999年東京都生まれ。2015年俳優デビュー。2022年は、NHK土曜ドラマ『17才の帝国』に主演、フジテレビ『ナンバMG5』に出演。他、WOWOW、テレビ東京など多くの番組に出演。

 


 

映画『20歳のソウル』
市立船橋高校吹奏楽部の浅野大義(神尾楓珠)は、部活仲間の斗真(佐野晶哉)たちと音楽に熱中する日々。作曲した応援曲「市船soul」は野球部を勢いづけ、将来は音楽教師を目指そうと決める。しかし音楽大学に進学した大義を病魔が襲う。音楽への情熱を最期まで燃やし続けた大義の告別式に、かつての仲間が駆けつけて‥‥。
●2022年5月、全国で公開予定

 

©2022「20歳のソウル」製作委員会

監督/秋山純 脚本/中井由梨子 原作/『20歳のソウル 奇跡の告別式、一日だけのブラスバンド』(小学館 刊) 「20歳のソウル」(幻冬舎文庫)
出演/神尾楓珠、尾野真千子、福本莉子、佐野晶哉(Aぇ! group/関西ジャニーズJr.)、前田航基、石黒賢(友情出演)、高橋克典、佐藤浩市 ほか
配給/日活 

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