柳楽優弥がモンゴルの空の下で見つけた、大自然の力と自然体
2021.2.15
モンゴルの大草原を、時空を超えた人の思いを伝えるため、一人の青年が旅するロードムービー『ターコイズの空の下で』 。主役のタケシを演じるのは、柳楽優弥。2004年『誰も知らない』で史上最年少・日本人初となるカンヌ国際映画祭最優秀主演男優賞を受賞し、その後もキャリアを積んできた彼が、初めて身を投じた日本・モンゴル・フランス合作の国際色豊かな制作現場。ほぼ全編、モンゴルロケである。
「監督のKENTAROさんから、突然『モンゴルに行きませんか』とオファーを頂いて。旅行が好きなので、普段行けない場所に興味がそそられたし、僕にとって初の合作映画で、楽しそうだな、と」。柳楽演じるタケシは、祖父の生き別れになった娘を探すため、モンゴルへの旅に出される。現地では言葉も通じず、時に大自然は牙をむいて襲いかかる。ひとり葛藤する青年の情動を等身大で表現する柳楽。その演技は、観客を物語に深く引き込んで行く。
「監督からは、『お客さんに“こう感じてください”みたいな演技はやめてほしい』と言われました。自然な表現を求める人だなと思いました。即興で演じたのは、『誰も知らない』以来でしたが、自分はこういう演出が好きだった、ということを思い出せた。それがとてもうれしかった」。
台詞を抑え、目や表情で語るシーンは、ユニバーサルな反響を引き出した。「海外で上映された時に、観客が言葉よりも仕草に爆笑しているのを見て、『こんな風に伝わるんだ』と面白かったですね」。
携帯電話の電波も届かないモンゴルの草原で、ゲルに宿泊しながらの3週間のロケを振り返って「大自然の中で、本質的に人間が感じていた自然の波動、水の流れや風の動きの力って偉大だなと感じた」と語る。それは人生の大きな気づきにもなった。「踊り場のない階段をあがっていたみたいな生活の中で、ふと椅子に座って休めたような体験でした」。
初めてのパーソナルブック『やぎら本』では、これまでのクールなイメージからはちょっと意外な、笑顔やリラックスしたポーズも披露している。「ハッピーエンドじゃない出演作品が多かったからか、自分自身の“素” を出すことをためらっていたかもしれない。でも、これからはもっと自分を出して、それをファンの方と共有できたらいいな」。
ヘアメイク:Satori Asako/スタイリスト:Nagase Tetsuro(UM)
ジャケット&パンツ:DELUXE(03-6805-1661)
柳楽優弥 Profile
1990年生まれ。2004年、是枝裕和監督『誰も知らない』でカンヌ国際映画祭 最優秀主演男優賞を受賞。2016年、『ディストラクション・ベイビーズ』でヨコハマ映画祭、キネマ旬報ベスト・テンの主演男優賞を受賞。映画、ドラマなど幅広く活躍し、主演映画『HOKUSAI』と『太陽の子』が2021年公開予定。
『ターコイズの空の下で』
資産家の祖父を持ち、東京で自堕落な暮らしを送る青年タケシは、戦時中にモンゴルで捕虜生活を送った祖父と現地の女性の間にできた娘を探すよう命じられ、モンゴルに送り込まれる。大草原の旅に付き添うのは馬泥棒のモンゴル人・アムラ。やがて二人は言葉を超えて心を通わせてゆく。第68回マンハイム・ハイデルベルク国際映画祭 国際映画批評家連盟賞&才能賞ダブル受賞。
監督・脚本/KENTARO
出演/柳楽優弥、アムラ・バルジンヤム、麿赤兒 ほか
配給・宣伝/マジックアワー、マグネタイズ
2021年2月26日(金)新宿ピカデリーほか全国順次ロードショー
公式サイト undertheturquoisesky.com
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